町長選挙 (文春文庫)



 あらすじ

 今回のDr.伊良部の患者は大新聞社の会長で超人気球団のオーナー。プロ野球に新規参入を目論む新進気鋭のIT企業家。某有名歌劇団出身の大女優。離島研修中の東京都庁職員。どこにいようと誰が相手だろうと伊良部は伊良部。





 前二作を読んだ上での三作目。もう多少な事では驚かないと思っていた。しかしそんな読者(自分だけ?)の思いを見越したか少し変化をつけてきた。まさかの社会派!?に変貌を遂げた今作。


 これまでは登場人物はあくまで架空の人物であり、だからこそその奇特な言動も素直に笑えるものだった。しかし今回は明らかにモデルが存在している。もちろん所属や名前は変えてはいるが誰をモデルにしているかは一目瞭然。正直この作品を読んだ時にはやりやがったなと思った。


 そんな人達があんな症状やこんな症状で悩み、伊良部に相談をする。しかしそんな相手でも伊良部は全く変わらない。誰が相手だろうと、どこで診察していようと、とんでもないことを言い出し、とんでもないことをやり始める。


 その結果どうなるか、あの著名な人々があんなことになっちゃうし、あげくは島民全て巻き込んでの大騒動。






 あからさまな人物設定にちょっとどうかなと思うかもしれないが、個人的にはモデルが想像できるだけにむしろ面白ささえ感じてしまった。そしてそんな状況でも全くぶれない伊良部の言動が面白い。


この作品はKindleで読めます。



 

町長選挙: 3 (ドクター伊良部)